抹茶 静
石臼挽き 機械刈り 棚栽培
”静”は、静岡県周智郡で作られた抹茶です。日本一の茶生産量を誇る静岡ですが、意外にも抹茶生産の歴史は浅く、静岡の全体茶生産量のうち、抹茶の占める割合はたったの5%しかありません。静岡は煎茶の産地としての地位を古くから確立し続けており、抹茶への転換が難しかったこと、抹茶向きの品種が少なかったこと、などが理由として考えられます。
”静”に使われている抹茶は、やぶきたという品種で、静岡生まれの日本で最も多く栽培されている品種です。
やぶきたの栽培面積は、2023年度に全国では66.7%、静岡県内では88.5%と圧倒的な割合を占めています。
やぶきたには、爽やかな香りとキレのある渋みがあり、長い間日本人に煎茶として好まれてきましたが、抹茶にした場合には、その渋みが飲みづらさの原因になってしまうことがあります。しかし、昔から高級茶の産地として知られる静岡県の西部の西遠地域で、棚栽培にて丁寧に作られた”静”は、静岡らしい渋みと抹茶の覆い香、やぶきたらしい爽やかさと抹茶の旨味の相反する特徴が共存する不思議なお抹茶です。ぜひお楽しみください。